桃鉄
年末年始は実家に帰り、妹と姉と一緒に桃鉄を楽しみました。
桃鉄といえば、高校2年生のとき、私が勝手に「桃鉄組」と名付けて様子を見守っていた男子のグループがありました。
当時、私の席は後ろからも窓からも二番目で、先生からは見えにくい場所でした。
そして、私を囲むようにして仲の良い男子4人ほどが集まっていて、彼らは授業中にいつも桃鉄の通信をしていたのです。
桃鉄のルールはまったく知りませんでしたが、こそこそと盛り上がる男子たちの会話を盗み聞きして、どうやら、すごろくのように日本をめぐってお金を集めるゲームだということが判明しました。
私は地図帳を見るのが大好きで、地名を目や耳にするだけでおいしいグルメや気持ちの良い温泉を想像して幸せになることができる人間です。
先生の話を聞く気がなく、いかに時間をつぶすかを考えて授業を受けている私にとって、前後横から聞こえてくる桃鉄ワードは、たいへんありがたいものでした。
「桃鉄組」が1時間で日本を旅している間に、私も日本各地を観光して楽しんでいたのです。
世界史の授業なんかでは、教科書に世界のどこかの地図が出てくることもあるわけですが、その地図を見てもイメージは沸きません。
やはり、「桃鉄組」の会話を盗み聞きして出る旅が一番魅力的で楽しかったなあ、と思った年始でした。
大人になって、あのころ想像した土地へ旅しに行くと、あのころの答え合わせをしているようでとても面白いです。
「桃鉄組」と直接話したことはほとんどありませんでしたが、過去の私にも今の私にも、きっと未来の私にも良い思いをさせてくれているので私は勝手に彼らに感謝しているのです。
ボンビーには気を付けてこれからも旅していきたいものです。