公務員を辞めた女の小話と末路を見てほしいよ~

二年で公務員を辞めた女の日記代わりのブログです。どうでも良い話からポエム的な長文まで載っています。知ってる人が見たら特定できるけど、特定できるほどの知り合いは片手で足りるので心配していません。

飛び級

飛び級」ってなにやらかっこいい響きですよね~。

みなさんはいくつ「飛び級」したことありますか?

 

私は幼稚園から小学2年生まで水泳を習っていました。

ただ、ずっと同じスイミングスクールに通っていたわけではありません。

幼稚園を卒園したときに引っ越しをしたので、そのタイミングでスイミングスクールも別の場所に通うことになったのです。

私のことを知っている人がいない、まったく知らない土地のスクールです。

 

新しいスイミングスクールは1級から10級までのクラスがありました。

1級が一番レベルの高いクラスで、初心者が10級です。

例えば、7級はバタ足、6級はクロール、5級は背泳ぎ、4級は平泳ぎ、3級はバタフライを習うというように区別されていました。

定期的にテストがあって、合格すると一つ上のクラスに上がる仕組みです。

 

このクラス分けの時点で前のスイミングスクールとはまったく違います。

前のスクールでは、習熟度別にイルカやラッコなどの海の生き物の名前のクラスに分けられていました。

キャップに自分のクラスの動物の絵が描かれたワッペンをつけて、みんなおでこにイルカを住まわせるために努力していたものです。

私もイルカさんを住まわせたかったのですが、卒園に間に合わず夢は持ち越されました。

それなのに、新しいスクールにはイルカ組なんて存在しなかったのですからこの時点で少し気落ちしています。

 

そんな私をさらに気落ちさせたのが最初のクラス分けです。

当時、私は平泳ぎまでは完璧にマスターしていました。ラッコ組なんですから当たり前です。

一緒に通い始めた二つ上の姉は、6級からスタートすることになりました。

経験者であることが伝えられていたのだから当たり前です。

姉はイルカなど超越して上級者用のクラスまで経験していたのだから本来ならばもう少し上の級でも良いくらいです。

 

そして、私が伝えられた級は・・・

「10級から!」

10級?10級って初心者だよね?

 

なんと私は一番下のクラスになってしまったのです。

どうやら私が経験者であることは伝えられていなかったようです。

 

10級の練習スペースに行くと、みんな腕用の浮き輪をつけてふよふよ浮いています。

中には水が怖くて泣いている子もいます。水に顔をつける練習をしている子もいます。

私はイルカを目指しているのに、クラゲのようにふよふよ浮くだけのクラスに来てしまったのです。

小学1年生の私の自尊心が傷つけられてしまいました。

もっとできるのに。なめられてる。

私はコーチにラッコの泳ぎっぷりを見せつけました。

すると、さすがにコーチも気づいたのか、その日のうちに7級に行くように言われました。

7級に移動すると、その日はちょうどテストの日で、私もテストに参加させられました。バタ足で足をつかずに10メートルほど泳ぐテストです。

合格でした。

かくして私は、一日で10級から6級になったのです。

姉も上の級に上がっていたので追いつくことはありませんでした。

その後、4級まではスイスイ上がりました。姉はいつのまにか1級になっていました。

3級になると白いスイミングキャップをつけることになるので、それを目指していたのですが、3級になる前にまた引っ越しをすることになり、またも私の夢は潰えました。

 

結局、私はイルカさんにもなれなかったし、ホワイトキャップマンにもなれませんでした。幼いころから、こうなりたいと思って近いところまでは行っても結局叶えられない人間なのです。

 

そして、私が叶えられない夢を、姉はいつのまにかクリアしています。

しかし、姉が叶えられない夢を、私がいつのまにかクリアしていることもあります。

自分にとっては簡単なことでも、他の誰かにとっては難しいってことがあるというお話でした。

 

途中からことわざの成り立ちみたいな文章になりましたが、ただの私の過去話です。